2009年03月27日号

胃癌?の追跡捜査!


Aさんは50歳台後半の男性。数年前から高脂血症と高尿酸血症で治療を続けている。一昨年春に強い胸焼けの症状を訴え、上部消化管内視鏡検査(通称/胃カメラ)を実施した。食道下部の胃との接合部に線状発赤と浅い潰瘍が認められ、逆流性食道炎と診断したが、一部(時計の文字盤の10時方向)に微妙な粘膜の乱れを認め、その部分から組織を採取、病理組織検査を実施した。結果はグループⅡとのことで、わずかな異型性が認められた。


   1年後の胃カメラ検査で、逆流性食道炎の所見は軽減しており、PPIという胃液の酸性度を低下させる薬剤の効果で症状も軽快していた。前年に注目した部分の所見は持続しており、病理組織検査は前年同様のグループⅡ。先日、今年の定期検査を実施、病理組織検査はグループⅣとの報告を受けた。


   胃カメラ検査や大腸カメラ検査で病変を見つけると、組織を採取し、顕微鏡観察によって悪性の有無(癌か否か?)を判断する。胃の場合には所見をグループⅠ~Ⅴに分類し、Ⅰは正常、Ⅴは癌と診断する。ちなみにⅣは癌?と。Ⅳ以上を癌として取り扱う。ⅡとⅢは定期的に経過観察を続けることになる。現在、ⅡやⅢで経過観察を行っている患者さんは5名ほどいる。過去の経験では10数年間の経過観察でⅤと診断され、胃カメラによる粘膜切除を受け、全治した早期癌患者さんもいる。


   Aさんの場合、大きさは最大でも5~6ミリ程度、粘膜内に限局した悪性度の低い病変と予測され、胃カメラによる粘膜切除の適応となると思われるが、今後予定されている再度の病理組織検査や超音波内視鏡検査などの精密検査で経過観察と判定される可能性も否定できない。Aさんに連絡して来院してもらい、病状を説明した。近々、道内への単身赴任の予定だそうだが、私の説明を取り乱すこともなく、聞いてくれた。このような患者さんばかりだと楽なのだけどなあ!


嵐 CD

トラックバックURL:

« 細胞から病気を治す医薬品の話No.201 | TOP | いくつになっても「青春」 »

[PR]SEO対策済みテンプレート