2009年06月12日号

角膜移植とアイバンク②


①角膜移植は成功率がなぜ高い 角膜移植は心臓移植や肝臓移植など他の臓器移植に比べ成功率の高い手術方法です。大きな理由は、角膜には血管がほとんど無いからです。もしも血管が角膜を覆っていると、角膜の透明性は失われレンズとしてその働きを発揮することはできません。角膜に血管が少ない利点がもう一つあります。移植手術の際に拒絶反応が起こりにくくなり、手術の成功率が高まります。とは言うものの、動物からの角膜移植や人工角膜の移植は上手くいっていません。そのためヒトの角膜がどうしても必要なのです。


   ②どんな病気に角膜移植を行うか 角膜の永続的な混濁や歪みのため視力低下を起こしてる場合、角膜移植手術が必要となります。いろいろな病気がありますが、最近多いのは水疱性角膜症です。


   角膜の内側には、角膜内皮細胞が内面を覆っています。この細胞は、角膜がレンズとして機能できるよう角膜内の水分調節を行い角膜の厚さを一定に保つ、重要な働きを担っています。この細胞は生涯細胞分裂することは無く、生まれてから徐々に減少していきます。炎症や外傷のため内皮細胞に障害が起こると、細胞数が大幅に減少し機能障害が起こります。その結果、角膜の厚さを維持できなくなり角膜は水膨れ状態になります。これが、水疱性角膜症です。白内障手術や緑内障のレーザー手術後に発症することがあります。


   微生物の角膜感染を契機とした角膜混濁も角膜移植の対象になります。前回の話に出てきたトラコーマによる角膜混濁は、日本ではほとんど皆無ですが、ウイルスの感染による角膜ヘルペス、細菌・真菌などの角膜感染後の角膜混濁が増えています。また、円錐角膜といって、思春期に角膜の頂点が突き出てくる病気や遺伝性の角膜混濁(角膜ディストロフィー)も適応になります。これらは角膜移植により視力を回復させられる疾患です。問題は献眼を希望される方が少ないことで、眼科医の大きな悩みになっています。


男性用浴衣

トラックバックURL:

« 細胞から病気を治す医薬品の話No.206 | TOP | 飢饉普請のこころ »

[PR]SEO対策済みテンプレート