2009年07月31日号

集う場所


道路が集まって交わる所を“辻(つじ)”という。村々でこの辻という場所は、人が交わる大切な場所だったように思う。散歩人が生まれたのは、山奥に隠れ里のように息をひそめる、小さな部落だった。それでも、日長の頃の暮れ時や宵には、村の辻に子供たちや若者が誰彼ともなく集まっていた。


   道端に人が5、6人は腰掛けられる亀の形をした大きな岩があった。いつからあったのか誰も知らない。昔々からあった。そこに集まり話をしたり、遊んだり、夏には蛍捕りに行く基点になったりした。通りかかる大人や年寄りが声をかけて行く。盆の頃になると里帰りしている若いのもいる。「おお、おお」と成長をほめ、近況を聞き、情報交換する場でもあった。なぜか夏になると、暑い日ざしが落ちて風が心地よい日暮れ時の、この辻の情景を思い出す。時間が、ゆったりと鷹揚(おうよう)に流れていた。

今の子供たちや若い人たちがかわいそうに思うことがある。土地の人々でも名前も顔も知らない。だから近所の道端や公園に集まっていても、何かされるのではないかと警戒の目で見られたり、監視されたりする。懐疑の目で見られ続けたら若い心はたまらない。子供や若い人たちの行き場が狭められている感じがしてしまう。


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