2009年08月28日号

秋の空のように…


盆休みが明けた8月17日の朝、昨日までと違う白っぽい日差しと冷んやり頬をなぜる涼風(すずかぜ)に気がついて、「ああ、今年は秋が早いな」と、なぜか妙に寂しい気がした。そういえば、夜の草むらではもう虫の鳴く音が高らかだ。どれがどれだか良くわからないのが悔しいけれど、ギーチョンというおそらくキリギリスに混じって、コロコロコロコロだのリリリリリリリ…だのと種々のコオロギたちが奏でる澄んだ音もする。その後ろでルルルルルルルル…と、低く絶え間なく鳴き続けるカンタンの声。夜の風は日に日に冷たい。


   この原稿を書いていて、「赤とんぼ見た人いるかい」とスタッフに大きな声で聞いたら、「ここにいますよ~」という返事が返ってきたから、「いつ頃見た~?」とまた聞いたら、「とんぼがここにいるんですよ~」と言うからビックリした。赤とんぼは本当にいて、網戸にとまっていたのだと言う。8月22日締切りの日、もう夜も更けている。スタッフが「お前寒いのかい?中に入るかい?」と少し網戸を開けたら、赤とんぼは本当に入ってきて、少し温かい蛍光灯のわきの天井にとまって休んでいる。「帰る前に外に出してやろうね…」と、優しいスタッフたち…よ。


   8月18日に衆議院議員選挙が公示されて、世の中は何となく騒々しい。2つの大きな政党が、さまざまな部分で疲弊し、また腐敗したこの国を新しい時代に向けて転換するのに、真正面からぶつかっている。まわりの人たちの関心もいつになく高くて、皮肉を言ったり茶化したりする人が少ないのに、さまざまな面で追い詰められている人々の、真剣にならざるを得ない厳しい現実を見る。そういえば、年金問題にしても、介護の問題にしても、種々の規制緩和にしても、郵政民営化にしても、後期高齢者医療制度にしても、農業政策にしても、労働問題にしても…すべてが生々しく実生活に直結してくる問題だった。1票の重さ軽さを通り越して、明日生きていくために、黙っていられない、そんな思いがある。


   涼しい秋風が立ってもう秋色の季節。そして、8月30日には衆議院選挙。この国の未来が決まる歴史的な選挙になる可能性がある。高く澄み切った秋の空のように…頬にやさしい秋の涼風のように…と政治や行政に求めるのは、そりゃ無理な話だろうけど、でもやっぱりそうあってほしいものだと、どこかでそう思ってしまう。


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