2009年09月18日号

No.108


心の回診が108回目、感無量です。9年間、一度も休む事なく書かせて頂いている事になる。仕事の喜びと苦労は半分半分。泣いて夜を明かして辞めたいと悩んだ事もあった。前向きになれたのは、病室で出会う沢山の患者さんと家族の方達が、私の背中を押してくれたからだ。「熱が下がった」「食べれるようになった」「外泊できた」嬉しい言葉に力が湧いた。


   反対に悲しい永遠(とわ)のお別れもあった。思うに人生は喜びと悲しみ。幸せと苦労。出会いと別れが交互にやって来るのではないかと思う。だから頑張れる。毎日がハッピー!ハッピー!では感謝もなければ進歩も達成感もない。


   今日も朝一番の電話が元気に鳴った。昨年、私は北広島市大曲生涯学習振興会で講演をさせて頂いた。150名もの市民の方が集まって下さり、熱心に耳を傾けてくださった。電話は、その時の講演を聴いて下さった方からで…実母がおかしくなったのは最近の事、放っておけず同居する事になりました。夫も賛成してくれました。ところが思っていた以上に痴呆は進んでいて、家事もテキパキやっていた母が、娘婿をお客さんと思って挨拶する。トイレが間に合わず汚した下着を隠す。食事時、入れ歯を茶碗で洗う。中3の息子が、おばあちゃんのあとの風呂は嫌だと言う。綺麗好きな母だったのです…と泣いた。


   「テキパキ過ごされていたお母さんは、今、どんな一日を過ごされていますか?」。訴え続けていた娘さんの言葉が、私の質問にハッ!としたように詰まった。「…一日、ただボーッとしています」。お母さんはいきがいを失っていると思いますよ。お茶碗洗いでもいい、モヤシの根ッこ取りでもいい、手伝ってもらって、お母さんは大切な人、必要な人、ありがとう!と毎日言ってあげて下さい。受話器を通して、相談者の娘さんが泣いているのが伝わって来た。


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