2009年10月09日号

パニックはダメ!


毎日のように新型インフルエンザの記事がマスコミで報道されている。この連休の小児科当番医の診療は深夜にまで及んだそうだ。ほぼ2週間前からA型インフルエンザ(今では新型インフルエンザ)が増えていることは事実。だが、これへの対策には種々の問題が発生してきている。


   私の体験で最も困ったのは、家族がインフルエンザにかかって勤めを休んだけど、「出社しても大丈夫」「感染させる可能性なし」という太鼓判の診断書を会社から求められること。このような「診断書を」と言われても、そんなことは土台無理な要求なのだ。ニュースで話題になっているが、全国的にこうした不必要な診察が急激に増えているそうだ。


   当クリニックでは、ウイルスの抗原を検出する迅速診断キットを用いている。だが、これも、①小児と大人を比べた場合、小児の感度が高い②鼻腔吸引液>鼻腔スワブ>咽頭スワブの順に感度が高い③発症からの時間が短いと感度が下がる、などの問題がある。最大の問題は、陰性と判定が出ても、「インフルエンザじゃない」と断定できないこと。


   連休の直前に厚生労働省のホームページで新型インフルエンザの重症化例の詳細が公開された。日ごろ私たちに入るのは、マスコミで報道される「○○歳の人が新型で亡くなった」との記事のみで、詳細な臨床経過を知るすべはなかったので、これは歓迎する事柄。連休にこの症例報告書をダウンロードして詳しく読んでみた。新型インフルエンザで重症化して亡くなったと報道された例で「特別な既往歴なし」とされながら、詳細な病歴では高度のヘビースモーカーのため胸部CT画像で肺気腫の所見が認められる例、死因が急性心不全でインフルエンザとの因果関係が明らかでない例などが混在している。毎年流行する季節性インフルエンザでも全国的にかなりの人が亡くなっている。パニックを起こさずに冷静な対応が必要である。


のだめ CD

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