2009年11月27日号

疑えない気持ち


散歩人が育った田舎では家に鍵をかける習慣などなかったように思う。子供の頃は、犯罪の存在を回りに感じたこともなかった。それがまあ、今の世は泥棒だの詐欺だの人殺しだの、身近に犯罪というものがずいぶん多い。昔の犯罪はやくざだの暴力団だのが主役だったが、今は普通に見える人が陰惨な犯罪を引き起こす。


   つい昨日も、野津幌川にかかる厚別東通の水恋橋辺りで、パトカーが5台も10台も出動するものものしい騒ぎがあった。聞いてみたら、「おかしなやつが暴れた」のだという。若い男が、通りかかった見知らぬ女性に包丁で切りかかったり殴りかかったり、橋のたもとの店の女性客に乱暴して、店の従業員に取り押さえられた、通り魔のような事件だった。


   数年前…田舎から出てきた母親に留守番を頼んでいたら、リフォームのセールスの訪問を受けた。帰宅したら「いい人だったから話を聞いてやって欲しい」と言う。それは悪質なセールスで…と言っても、「まさか、あんないい人が…」とむしろ息子を疑う目をする。再訪した営業マンの話を聞くと案の定、「格安でモニター工事をしませんか?」と胡散臭い。


   まさか、身の回りにそんな悪い人はいないと思い込んでいる田舎暮らしの母親に、「来る人を信用してはいけない」と諭(さと)すのは辛かった。ところが、その後、田舎の実家で米が盗まれたと聞いてア然とした。集荷に来た農協のトラックだと思っていたのが、泥棒だったと聞かされた母親のショックは大きかった。ただ、それでも人を疑い切れないらしい母親の近況を聞いて…どこかにほっとするものを感じている。


パスタ 福袋

トラックバックURL:

« No.110 | TOP | むかーし、ご先祖様が… »

[PR]SEO対策済みテンプレート