2010年01月01日号

正月は冥土の旅の一里塚


清水寺で毎年暮れに公開される「今年の漢字」は『新』とのこと。新政権、新大統領、新型インフルエンザの「新」からの連想が多かったそうだ。角川書店の『大字源』を引くと、この字は「立」「木」「斤」という三つから成っている漢字。木を斤(おの=斧)で立(辛の省略形で切り揃えるという意味)てる「たきぎ」を意味すると書かれている。この漢字がどうして「新しい」という意味で使われるようになったかの記載はないが、本来の「たきぎ」を意味するために「艸」を上に冠した薪という漢字ができたという。


   上記の字典に「新」は「あたらしい」「あらたに」「…してまもなく」などが意味として記載されている。気になるのは「国名。王莽が漢を奪って建てた国。一代15年で滅びた」との中国史の記載である。リーマン・ショックが引金となった世界不況、先年には政府も日本銀行もデフレ状態を認める発言をした。新政権の“故人”献金、普天間基地の移転問題、日米関係の不協和音に加えて、景気の二番底も現実味を帯びてきた。中国史の「新」にならないことを願うのみ。


   今回の表題だが、これは一休禅師の狂歌だそうで、この句に次いで、「目出たくもあり目出たくもなし」と下の句が続くそうだ。一休禅師と言えば、トンチの効いた問答で周囲を煙にまいたとして絵本にも出てくるが、「南無釈迦じゃ娑婆じゃ地獄じゃ苦じゃ楽じゃどうじゃこうじゃと言うが愚かじゃ」と非常に諧謔的な句も残している。


   現在、私の周囲を見回し、新聞やテレビを見ても、先が見えてこない今日この頃、妙に中国史に記録されている国家「新」の行く末と重なってしまう。一休禅師風に「新年は迷路の先の蘇東坡かな」と発句し、「先は地獄か、天国か」と苦笑したい気もするが、事態が深刻なだけに笑っている場合ではない。「正月は迷路の旅の天気予報」と発句し、「先の行方は天空しだい」とつぎ、「下駄の表を望むかな」と結びたい。


世界最小!?ロングライフレコーダー

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