2010年06月04日号

水分バランスと脱水症


Aさんは10代半ばの女性、発熱、咽頭痛などを訴えて受診。口腔内を観察すると咽頭部の発赤が見られ、急性咽頭炎と診断して抗生剤や鎮痛解熱剤などを処方し、水分を多く摂取するように伝えた。4日後に母親を同伴して再来したAさん、咽頭痛は2日ほどで消失したが、微熱と全身倦怠感、頭重感などが続いているという。


   舌を見ると乾燥してやや黄色く厚い舌苔が観察される脱水症状…本人に尋ねると、今朝から今(午後3時)まで食事も摂っていないし、水も200mlほど飲んだだけ。同伴した母親が「元気がない、おしっこにも行かない…」と。今の症状は脱水による症状で、十分な水分の補給が出来ていないのが原因と説明したが、「薬の副作用ではないのか?」と納得しない。


   人体の重量の半分から3分の2は水である。健康な状態では尿量が1000ml程度、目に見えない発汗や糞便で700ml程度、合計1700mlほどの水が出て行く。これに対して食事に含まれる水分とエネルギー代謝で出来る水が合わせて約600ml、残りの約1100mlの水分は別に補給しなければならない。この均衡が崩れて水分不足に陥った状態が脱水である。脱水状態には高張性と低張性とがあり、対処方法に違いがある。Aさんの場合は水分の経口摂取で十分。しかし、状況によっては医療機関を受診するのが賢明な場合もある。


   Aさんのような若い年代の人の脱水は、高熱、下痢や嘔吐などを伴う急性咽頭炎や急性胃腸炎の際に観察される。高齢者の場合、水分摂取による排尿回数の増加が苦痛との理由で普段から水分摂取を控える傾向があって、具合が悪かったりした時に容易に脱水に陥ることが珍しくない。高齢者の脱水は、意識障害の一種である譫妄や認知機能低下を起こし、誤って認知症と診断されることもある。Aさんの場合、看護師長が母親に脱水症状についてのフォローをしてくれたが、理解されたかどうか…


美白 日焼け止め

トラックバックURL:

« 運動不足はマズイ、でも… | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート