2010年07月30日号

「道理」が通らない!?


道内のある町の仏壇店が、古い仏壇や仏具を野焼きで焚き上げ供養をするのに、手続きに沿って届け出たのだが…。消防、市役所、近くの空港など関係先を回り、ダイオキシンなどの問題がからむ市役所の部署もOKを出してくれたのが、最後に市役所の清掃課から「待った!」がかかってしまった。ところが、何が問題なのかはっきり言わない。困った店主は市役所の同級生に聞いた。「責任問題になるのが恐いんだよ」。友人の予想もしない答えに驚いた。責任逃れというばかばかしい理由…。「これじゃ正直者が馬鹿を見るだけだ」。もしかしたらどうでもいい細かい決まりをあげつらって、許可を出してくれないかも知れない。腹立たしいが、とりあえず「もう一度お願いしに行く」事にしている。


   農作物を液体肥料と高度なコンピューター管理で“工場生産”する動きが加速している。天候に左右されない安定した作柄、不毛の地でも食糧供給できる可能性、飛躍的な食糧増産の可能性などと、いいことづくめのようだ。しかし、土から食物を収穫する有史以来の人類の大基盤を簡単に転換していいものなのか…農業で生きる圧倒的多数の人々の先行き、栄養価の問題、風土と直結する食物文化の未来…何の検証もされないままに工業化のスピードは増すばかりだ。先日、ラジオの“植物工場”の特集で、推進者として有名な前千葉大学学長という学者が、農家の方などが職を失って大変にならないか?…とのアナウンサーの問いに「パートなどが必要になるから大丈夫」などと答えるのを聞いて、思わず「大嘘だ!」と叫んでしまった。省力化・効率化が大前提の植物工場に人力の必要性は小さい。社会への影響を調べる真剣な検証が必要な大問題を、その場を繕(つくろ)うだけの「ウソ」でごまかす。エラい学者のその姿勢に悪意さえ感じた。


   保身と責任逃れにあくせくする役人。平然とウソをつく学者。枝葉の細かいことをあげつらい、揚げ足を取り、大事を隠す…政治の世界でもそんな器量の小さい“小人”がひしめく。大道を示して、細かいことは任せる人が昔は尊敬された。今は、小賢しい「理屈」と頭でっかちの「知識」と形だけの「ルール」を振りかざす、せせこましい人が大手を振る。社会が堕落すれば法律・ルールが増えるという。がんじがらめになって、大事なことが何も進まない。


   人が迷いなく生きるのに大切にされてきた、「道理」というものが通らない。そんな寄る辺(よるべ)のない無残な社会に進んでいるような感じがする。


浴衣 着付けセット

トラックバックURL:

« 麦わら帽は目を守る | TOP | 細胞から病気を治す医薬品の話No.232 »

[PR]SEO対策済みテンプレート