2010年08月06日号

沈魚落雁(ちんぎょらくがん)


妻と看護師長、T薬剤師…3名は50歳以上の熟年女性。毎年春の旅行会のメンバーである。私の友人が言う「100キロの体重を15キロも減量できた」との甘言に乗せられてヨガを始めて2年。お互いに「よく2年も続いた!」と自画自賛し、自分達へのご褒美?との理由で札幌駅前通りにあるイタリアンのお店でお祝いをしたらしい。


   お店にはマスター作の篆書の版画やアクリル画が並べられ、篆書で彫られた遊印が飾られていたそうだ。遊印は、文人などが好みの語句を印鑑にしたためたもので、書画の落款(らっかん)に使用される。彼女たちは、アルコールの後押しで自分たちの遊印を彫ってくれるように懇願。7月上旬に遊印を受け取りに、彼女たちに私とT薬剤師のご主人を加え5名でそのお店へ。お店に入って直ぐに目に入ったのは、黒地に真紅で描かれた版画、一瞬でこの書画に魅せられた。


   書画は「沈魚落雁」と記され、マスターの話では、美女の形容として用いられる言葉、泳いでいる魚が溺れ、飛んでいる鳥(雁)が落下する姿を見て唖然とする様子を表す言葉と教えてくれた。帰って『大辞林』を開くと、美女の形容としての用法は同じだが「魚が沈み隠れ、雁が列を乱して落ちてくる」との解。『荘子』の斉物論に基づく言葉で、本来は「美女の美しさを魚鳥は理解できずに驚く姿、美女の基準は定めがたいことを述べたもの」とのこと。心情的にはマスターの解を採りたい。


   恐る恐るマスターに「欲しい」旨を告げたところ、快く譲ってくれた。すぐに受付カウンターの正面の壁に掲げて悦に入った。T薬剤師のご主人は「無用之用」という老子の言葉のアクリル画を購入し調剤薬局の正面に掲げたそうだ。あまりイタリアンを好まない私だが、お店の雰囲気や、「沈魚落雁」な美人ママさんのもてなしで満足。何人もの患者さんから「あの版画、素晴らしい」との言葉をいただき、またまた、満足!


あせも対策

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