2010年09月24日号

ほほえみ合う世の中で


人間発達学の権威として大きな功績を残した故・田中昌人さんの研究で、人間は大人になる過程で「新しい発達の力」が4度生まれ、そのステップを踏みながら成長して行くことがわかっている。


   第1の発達の力は、生後4ヵ月頃、あやされて笑う受身の関係から、自分から人間関係を結ぼうとする主体的な力が赤ちゃんの内部で準備され始めて、微笑みかける…田中先生はそれを「人知りそめしほほえみ」と呼んだ。第2の発達の力は、生後10ヵ月頃の自我が芽生えてくる力。さらに、5歳半ばで経験の中でものごとを学ぶ力を獲得し、14歳頃の思春期に抽象的な思考力が加わって、大人に成長する。


   生後間もなくから、母乳を飲んで満足しながら眠りに移っていく時に、人間だけが、美しい生理的微笑みを見せる。“新生児微笑”といわれる謎のほほえみで、「天使のほほえみ」「無垢の微笑」などともいわれる。そして、生後4ヵ月頃に瞳の様子が変わり、周囲を見回して、「ミツケタ!」という表情を示し、自分の方から人に対して微笑みかけたりする「人知りそめしほほえみ」。


   まだ見ぬ世界に向かって微笑み、世界を見てまた微笑む。人間の成長がほほえみから始まる事実。そのほほえみを生み出す本能が人を信じる心とすれば、それを裏切るような世の中であってはならない…と、やはり思う。


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