2010年11月12日号

いつ切るか③糖尿病網膜症の場合


糖尿病網膜症の治療の基本は、内科的治療ですが、上手く行っていれば目は大丈夫という訳ではありません。と言いますのは、糖尿病網膜症は、目に自覚症状が全く無い時から既に始まっているからです。そのため、いつから眼科的治療を受けたらいいのか、患者さん自身が判断するのが困難な病気です。いくつかの事例を紹介いたしましょう。


   〈Aさん67才〉メガネを作り替えたのに、最近なんとなく焦点が合わないとのこと。視力は右0・8、左0・7と軽度の視力低下があり、眼底検査では両眼の網膜の中心(黄斑部)に小さな出血とむくみ(浮腫)が見られました。血糖の値が少し高いということでしたので、内科的治療をしっかりしてもらい経過を見ていたところ3ヶ月後には視力は1・0まで回復。


   〈B子さん53才〉今まではメガネなしで車の運転がオーケーでした。免許更新の際、視力が出ないからメガネを掛けるよう言われたとのこと。視力は矯正しても右0・5、左0・4と不良。黄斑部にはむくみと出血斑があり、それ以外の網膜にも多数の出血がありました。そこで、レーザー治療を行い1~2ヶ月後には、視力は0・7と改善、何とか更新までこぎ着けました。


   〈Cさん61才〉昨日まで両眼の視力は良かったのに、朝起きたら左目が霞んで見えないとのこと。視力右1・2、左0・1。左目は硝子体出血のため霞んでよく見えず。これは、糖尿病網膜症増殖期に伴い、網膜新生血管からの出血が眼球全体に拡散した結果でした。レーザー治療をしましたが、最終的には硝子体手術が必要になりました。


   そこそこの視力を維持していると、その程度は無論のこと網膜症があることすら分かりません。しかし、時々霞む、中心部がぼける、目の度数が変わったなどは、網膜症を示す大事なサインです。放置すると網膜症が一気に悪化して失明することもあります。網膜症から目を守るには、眼科で定期検査を必ず受けるという強い意志こそ、唯一有効な方法と思われます。


プラセンタ

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