2010年11月26日号

エゾシカの缶詰


知人からエゾシカ肉の缶詰めをもらった。森林や田畑の食害が深刻になって駆除のためのエゾシカ猟が行われ、ハンターがその肉を大和煮の缶詰にして知り合いに配ったそのおすそ分けだという。ちょっとかわいそうな気もしたが、こちらも“罪深い”生き物である以上仕方がない、スタッフでおいしくいただいた。


   …で、友人はその鹿肉大和煮缶詰と一緒に、わざわざ馬肉大和煮缶詰を買い足して持ってきたのだった。これで「馬鹿」が完成したというバカバカしいお話…。鹿肉は「モミジ」、馬肉は「サクラ」ときれいな呼び名があるのだが、シカとウマを一緒にして「バカ鍋」とシャレて名物にしている料理屋も、横浜の方にあるらしい。



   明治の初め、本州人の大量移入による捕獲数増加、鹿肉や角、皮などを狙う乱獲、明治12年の異常寒波による大量死などさまざまな要因が挙げられているが、そんなこんなでエゾシカは絶滅の危機に瀕(ひん)し、明治21年全道一円で捕獲が禁止され、同33年解除、大正9年ふたたび禁止、昭和32年オスジカのみ捕獲解除……というように、エゾシカの保護管理が行われてきたという歴史がある。余談だが、自然界でシカの天敵だったオオカミは明治20年代に絶滅したという。その後、もう一方の恐ろしい天敵である人間が保護に回り、エゾシカはいつの間にか予想以上に増加してしまった。さて、どうするか、今、その“かわいい厄介者”が問題になっている。


   明治11年~12年の開拓使報告書には、鹿缶詰製造の記録がある。官営工場でもっぱら輸出用に製造されたが、大量死の後にだめになったらしい。ちなみにいただいた大和煮は、鼻高々のハンターの奥さんが処理に困り1コ数百円の製造代を自腹で負担して配ってくれたのだとか。


のだめ CD

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