2011年01月01日号

年末年始を迎える心


子供の頃「もう♪いくつ寝ると♪お正月♪」と歌って指折り数え、待ちに待った正月。子供心にも正月を迎える雰囲気を感じ取ってウキウキしたものだ。いつも冷静沈着な母親さえもせわしなく動き回っていた。


   姉たちは母親と一緒になって黒豆に使う大豆の選別、お歳暮でいただいた塩漬け数の子の塩抜き、膾(なます)に使う大根を千切りにし、薄切りにした鮭の氷頭とともに手を真っ赤にして冷水に晒す。子供にも夜更かしが許される大晦日、「紅白歌合戦」を聴くのが精一杯で「行く年来る年」の頃には上下の瞼が癒合する。だが、このような正月を迎える風景も、いつしか記憶の中だけの存在になってしまった。


   年末年始を祝う風習は世界各地にある。中国や韓国など東南アジアでは新暦2月の旧正月だが、西欧でのメインはクリスマスだそうだ。わが家の正月はお屠蘇で始まる。中国三国時代の名医華佗の処方=屠蘇散に由来する風習だそうだ。昔は近くの薬局に注文して入手していたが、今は漢方薬メーカーのツムラが届けてくれる。屠蘇散を味醂に浸したお屠蘇を盃に注いで年長者から順に飲むのが習わしだったが、今は「年少者から飲むのが礼法」との父親の意見に従っている。


   昨年はイタリア旅行の最中でローマのコロッセウムでカウントダウンを迎えたが、雷雨に遭遇してズブ濡れの正月。今年は妻と2人きりの自宅での静穏な正月だ。日常から抜け出す旅行も魅力的だが、自宅でゆっくり過ごす正月も捨て難い。正月の食べ物で好きなのは「うま煮」だ。鶏肉、里芋、竹ノ子、椎茸、蓮根などを味醂、醤油や砂糖で甘く煮、数日経たものが食べごろ。いつしか私の苦手な人参は除外されている。江戸川柳を探すと「うま煮のそばに・口取(茶菓子)は・きつい事」という句が見つかった。口取を馬の口取(くつわ)に掛けている。上手な掛詞はないが、「うま煮の身・苦手な人参・除外せよ」と言い換えた!


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