2011年01月14日号

宝物


お手紙や電話で散歩道へのご意見をいろいろいただくことが多い。たまさかにはおほめのご感想をいただいたりする。ご叱責やご質問には返信するが、おほめの場合は(おかしな話だが…)何だか恐れ多い気がして返信を失礼したままになっている。これは言い訳で、ただ単にずぼらなだけなのだ…とささやく声がする。ありがとうございます、のひと言をお伝えできればいいはずなのだ。この場を借りて…平身低頭。


   前にアズマイチゲという野花とそれに連なる子供の頃の思い出を書いたことがあった(平成20年4月25日号)。それを読まれた昭和10年生まれというご婦人から「とてもとても、うれしくなつかしく、胸がいっぱいでしたので一筆しました」とご感想をいただいた。


   ――4月25日の“散歩道”を、涙をふきふき拝読させて頂きました。私も同年代と思いますが、田舎の山に長屋が2棟あり、露天掘り炭鉱が父の仕事場でした。山から流れる水に樋(とい=編集部)を作り、飲み水、風呂と生活用水でした。昼休みは父の現場の大きなどんぐりの木の下で一緒に弁当食べたものです。春は遅い山の中でしたが、前の小さな川、そのあたりは水色一面のエゾエンゴサク、ニリン草、そしてアズマイチゲと、それはそれはきれいな春でした。何んて幸せな時代でしたか…。仲良く一年生に入学した男の子が最近亡くなり電話で私は声を出して泣きました――(原文ママ)。


   きらめくような文章の、その最後にきて目頭が熱くなった。心の奥底に温かに敷きつめられた幼い頃の思い出は、きっと人ひとりの人生を支えるほどに大切な宝物になるのではないか…ふとそんなことを思った。ひとりひとりのかけがえのない人生…。


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