2011年02月25日号

ことわざ


昔の人は本当によく諺(ことわざ)を使っていた。会話に織り込んでは理屈抜きで世間を教え、生きる指針にした。


   父親が事あるごとに口にしたのは「聞くは一時(いっとき)の恥、知らぬは一生の恥」で、母親は「楽は苦の種、苦は楽の種」が口癖だった。そう自分に言い聞かせていたのかもしれない。「1円を笑う者は1円に泣く」(昔は1銭)と金銭の大切さも教えた。


   「苦労は買ってでもしろ」ということわざは、年を取るほどに納得した。苦労の数ほど経験が積み重ねられ、生きる力も身につくのだった。「石の上にも3年」(苦しくても大変でも、辛抱すれば必ず報われる)とか「雨だれ石を穿(うが)つ」は、確か小学校で習った。学校から帰った後に軒下の石に雨だれの穴が確かにあるのを見つけて、えらく感動したのを覚えている…。


   今は世間ずれして「女房と畳は新しい方がいい」などと言っては、「女房と味噌は古いほどよい」なんて機嫌もとる。…後が恐い。「天災は忘れた頃にやってくる」というのは新しく、関東大震災の後、寺田寅彦(随筆家・物理学者)がよく言っていたと弟子で雪の結晶を研究した中谷宇吉郎博士が紹介してから、ことわざに仲間入りしたらしい。女房の仕返しも忘れた頃に…。


黒執事 CD

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