2011年04月08日号

ネコヤナギ


つややかにふくらんだネコヤナギが、春の風にやさしく揺れて光っている。あの記録的な大雪もとかし去り、きらめくような日差しとともにいつものように春はやってきた。


   「ニャンコがいっぱい乗ってる木があるのだよ」などと、柄にもないことを言って子供にネコヤナギの木を教えたことがあった。それを見て、「ゴマちゃんみたい」とゴマフアザラシに見立てて喜んでいたのを、春の風に吹かれながら思い出している。幾年も幾年も、変わらずに春を告げる銀毛の花芽…。ごめんなさいよと小枝を折り、事務所に持ち帰って花瓶に挿(さ)した。日々新しい芽が出てふくらんでいくのが何ともうれしい。


   大震災の後の、何でも自粛ムードの雲行きが、このところ少し変わってきた。形だけの自粛はやめようという気運が出てきたのだ。例えば、花見シーズンを前にキャンセルが相次ぎ、結果的にそれで東北の観光地が困っている。じゃあ、花見に行こうよ…という現実的な深い配慮が出てきたのがうれしい。本当に助けになるのは、それぞれの地域や人々が、それぞれに力強く生きて行くことでもある気がする。それが国全体の力になって、被害の大きかった地域の苦しみも分担できる。下手な“同情”では何も解決しない。ある意味、この国全体が被災地で、人々がこの災難をどう分かち合って、未来を築いていけるかなのだろうと思う。人を大切にする決意と信頼が社会の基盤にあれば、貧しさも苦にならないかも知れない。上っ面だけのうすら寒い豊かさなどより、本当は心と希望が欲しいのだから…。


   ネコヤナギにも花言葉があるという。猫のイメージからか「率直・自由・気まま」なのだそうだ。でも一方で「努力が報われる」という希望を呼ぶ花言葉もネコヤナギにはあった…(3月18日号「散歩道」で東北地方太平洋沖地震をマグニチュード8・8の規模とお伝えしましたが、後日9・0に変更されましたので訂正いたします)。


セットコンポ

トラックバックURL:

« 最新の生物学 | TOP | 高齢者の運転免許更新① »

[PR]SEO対策済みテンプレート