2011年06月17日号

エゾハルゼミの哲学


朝からエゾハルゼミが賑やかだ。スタッフによれば6月5日の日曜日には鳴いていたと言う。気温が20度を超える前後から鳴き出す感じで、そう言えば日曜日も暖かかった。エゾハルの蝉しぐれはカエルの大合唱によく似ていて、田んぼの近くなどではジーコジーコという半端な鳴き声が入らないと判別できなくなったりする。いずれにしても初夏の到来…空が青い…雲が白い…。


   エゾハルゼミは地下生活が4~5年、成虫になって数週間で役割を終えて死ぬという。「死ぬ」という表現が適当なのかどうか、脱皮の抜け殻のようなあっけらかんとした亡骸(なきがら)がコロンコロンとそこいら辺に転がっているから、きっとあれは死んだというよりは気化したか何かして、形を変えてどこか違う世界に行ったんだろうな…というような無機質ないさぎよさなのだ。役割というのは子孫繁栄の営みで、枯れ木などに産卵を終えると役割を終える…。そのためにお互いを呼び合う、そのいのちの鳴き声が今、天地に満ちている。


   桜の木にエゾハルゼミがとまっている…「一生懸命だね」「そりゃ、子孫を残すためだからさ」「楽しいかい」「いろんな木に飛んでいけるし、彼女と出会えるしなぁ…」「うらやましい」「同じ生き物のくせに寝ぼけたことを言う。目先を生きるしかないじゃないか。夢中だよ。ああだこうだ考える暇があったら、どこへでも飛んでいって鳴いてみろ。何か新しいことが起きるから…」「人間はトラブルが多いんだよ」「欲が深いからさ。少しでも欲を無くせば楽に生きられるとお釈迦さんも教えているのに…」「本当かなぁ」「ほら見ろ。考えもしないですぐ疑う。欲深いと何でも自分のものだと思いたくなる。失うまいと思うから人を疑う。人より少ない、人より劣っているとねたむ。嫉妬も起きる。欲が少なくなればそんな苦しさが消えて楽になる。運命に素直になれる。人の心もわかってくる…」。


   さらに「生きる意味…」を聞こうとしたら、「アホくさッ」とセミは顔にシッコをかけて青い空の向こうへ飛んでいった。


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