2011年07月15日号

原子力発電への思い


ちょうど10年前、日本は、やはり原子力発電所の安全性の問題で大騒ぎしていた。福井県で原発の周辺住民32人が、原子炉設置許可の無効を訴えた裁判で勝訴、注目されたのだ(2005年最高裁判決で敗訴)。東日本大震災で事故を起こした福島第1原発に比べ、はるかに高い制御技術が必要とされる原発・高速増殖炉について、当時の「散歩道」ではこんな懸念を書いている(2003年2月14日付)――。


   福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」の安全性について、名古屋高裁金沢支部は「ノー」の判決を出した。1995年のナトリウム漏れ事故によって、「もんじゅ」の運転は停止されているが、裁判所は建設前の安全審査が不十分で、原子炉の設置条件を無効とする判決を下した。原子力安全委員会の審査についても、「許可申請の記述を無批判に受け入れた疑いをぬぐえない」と疑念をあからさまにし、審査のいい加減さを指摘した▽原子力発電の安全性の信頼は大きく損なわれた。しかも、その安全性を審査するべき機関の信用も失墜した。馴れ合い審査への疑念は、国家に対する国民の信頼を根本から揺るがそうとしている▽チェルノブイリの惨劇を見るまでもなく、放射能の恐ろしさは被爆国であるこの国民の身に沁(し)みているはずだ。多数の生き物を抹殺し、長期にわたって傷つけ、土地を不毛にし、海外との密接な経済交流が欠かせない現代では、その基盤も一瞬の内に崩壊させるだろう。誰にも、どのようにも責任が取れず、救いようもないその結末を、例えばエネルギー問題と天秤にかける無謀さに唖然とする▽もう一つ、国防面から考えても原発は大きな弱点になる可能性がある。海を隔てた隣国から、ミサイルが頭上を飛び越えてゆく時代なのだ。(終)――。


   原子力発電に対するこの思い・考えは、10年経過した今でも変わっていない。鉄腕アトムもドラえもんもガンダムも、おそらく今の60代までの人々に夢を育んだヒーローたちのそのエネルギーは理想的に進化した“夢の原子力”だった。ただ、現実と違うのは、夢の原子力が「完全制御」されていたことだ。残念ながら、現実の原子力は人間の力ではまだまだ制御されているとは言えない…。


穴あきレギンス

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