2011年08月05日号

いのち


目を閉じる前に「ああ、俺は生きたなあ」と思えたらそれでいい、でも、罪の意識に苛(さいな)まれてしぬような生き方だけはしたくないなあ…などと心に置きながら、不器用でジグザグで、あがいたりひっくり返ったりもしながら…ただただエンヤコーラとお恥ずかしの人生を生きて来た。それでも、まだ“自分の命”であるだけ幸せなのだろうと思う。


   原爆、そして終戦……8月は、「命」を中途で理不尽に断ち切られた人々の悲しみと無念を慰める特別の時季でもある。例えば、アメリカという国が落とした原子爆弾は広島14万人以上、長崎7万数千人以上とされる非戦闘員の一般の人々を一瞬のうちに殺戮(さつりく)し、さらに現代に至るまで何年もかけてその何倍もの命を奪い去って来た。


   漫画家のこうの史代さんが描いた「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の街」(双葉社刊)の一場面。被爆後10年して黒い血を吐いた主人公の女性が、死の床で思う…「嬉しい?10年経ったけど原爆を落とした人は私を見て『やった!またひとり殺せた』とちゃんと思うてくれとる?」…。


   加害の国に向けるこの強烈な思念が心から離れない。例えば地雷でも爆弾でも、「やった!またひとり殺せた」と明確な加害の意識を持ち続けてくれなければ、無駄死にになってしまう…。


クッキングトイ

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