2011年09月23日号

山の恵み…そして今…


紅葉が始まる頃になると、秋田の片田舎の子供たちは、心ここにあらずのそわそわした状態になる。学校が終わればわき目もふらずに山に直行するのだ。アケビ、山ブドウ、コクワ、コハゼ…一方であれやこれやのキノコ達。秋の山は宝の山で、子供も大人も山の中に入りびたる。


   大人になってはじめてニュージーランドのキウイフルーツというものに出会った時には、「何んだコガの実と同じ味だ」と懐かしくさえ思ったものだった。コクワが訛(なま)って「コガの実」と呼んでいたが、それはマタタビ科マタタビ属のつる性植物「サルナシ(猿梨)」であって、これを5~6倍に大きくして細かい金色の毛を生やせばキウイになる。案の定、キウイはその原種が、中国南部に産するサルナシの近縁種シナサルナシであるのだそうだ。おしゃれな果物も何のことはない「コガの実」だったのだと知った時は、田舎ものらしく少しばかり痛快だった。


   今、福島の一部の山々では、その秋の実りも喜べない事態になってしまった。山の恵みも何もかもみんな、放射能という見えない、人の手がおよばない“力”で毒にされてしまう…まるで魔法をかけられるおとぎ話か何かのようなバカな話が現実になった。


   生き物が生きる「自然」を一瞬のうちに地獄に変えてしまった“原発”という悪魔の装置。その原発がまだ必要だという人々がいることにあ然とする。


バーベキュー セット

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