2011年10月28日号

金色の秋


「錦秋(きんしゅう)」という言葉を調べたら「紅葉が錦(にしき)の織物のように美しい秋」(大辞泉)とあった。そしたら、その近くに「金秋」という言葉もある。「《五行(ごぎょう)の金が季節では秋にあたるところから》秋」(同)と説明されている。何だか難しいが、「金秋」は俳句の季語で使われるらしく、秋の風のことを「金風」と詠(よ)んだりもするようだ。


   五行(木・火・土・金・水の五つの元素が万物を構成するなどという古代中国からの考え方)に当てはめると、そうか、秋は金か…と妙に納得した。稲穂が実って金色の波になる“金波”の中で育ったから、金色は秋の大切なイメージカラーになっている。秋の日差しも透き通った金色の光だ。錦のように色とりどりの秋も良くて、ことに今年はモミジやナナカマドの緑から赤への色調変化の妙が美しいのだが、やはり秋晴れの世界が金色に輝いて見えたりするのがうれしくて、「秋の日輝いて…」と前号のタイトルにちょっと使ってみたりもした。


   秋は銀杏(イチョウ)も金色に輝く。銀杏は鎌倉の頃に中国から渡ってきたそうだから、山などに自生しているのは少ないが、寺社や街路樹などには多く、その落ち葉が路上に鮮やかなレモン色の絨毯を敷きつめて、早朝には朝日に黄金色に光り輝いて荘厳な世界を見せてくれたりする。そして、月の光や街路灯に輝いて舞い散る銀杏葉の美しさは、妖しいほどだ。息をのむほどに美しい秋の情景が、ほんの身近にある。


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