2011年11月04日号

肺炎球菌ワクチン


最近、新聞で肺炎球菌ワクチンの記事が掲載されたこともあって、接種を希望する方が電話で問い合わせてきたりする。50歳代女性から電話があった。「海外旅行に行くので、友人から接種を勧められた」という。「50歳代」と「海外旅行」から肺炎球菌ワクチン接種を連想するのは、ちょっと無理があり、そのことを説明した。


   肺炎と一口に言っても様々な種類がある。病原性微生物によるものでも細菌性、ウイルス性、マイコプラズマに代表される非定型性などがあり、その他、微生物によらない間質性肺炎もある。細菌性のものでは、肺炎球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザの原因と誤認されたものでウイルスとは別物)、ブドウ球菌が原因の代表である。中でも肺炎球菌によるものは、原因菌としての比率が最も高い。近年、抗生物質に耐性を示す肺炎球菌の比率が増加している。


   肺炎球菌にも80種類ほどあり、そのうちの23種類の菌に有効と言われているのが肺炎球菌ワクチンだ。当然のことながら、他の病原菌やその他の原因には無効である。肺炎ワクチンと誤解して「肺炎にならないワクチン」と思っている方が多い。1回の接種で5年間有効とされているが、再接種で局所の発赤・腫れや痛みなど副反応が大きくなるため、わが国では再接種が一応禁止されている(世界的には5年間の間隔をおいて容認)。


   私のクリニックでの接種基準…脾臓摘出やエイズなど極度の免疫能低下のある人、喘息や肺気腫、慢性気管支炎など慢性肺疾患を患っている人、70歳以上で慢性疾患のため治療中で風邪を引いては長期化する人は文句なく該当とし、日常的に通常の生活を送る80歳以上の人で特に希望する場合には接種を勧めている。その他の場合には、すべての肺炎には有効でないこと、5年後に再接種する必要があり、そのときは副反応が増強することを説明し、納得してもらってから接種することにしている。


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