2011年11月18日号

レビー小体型認知症


先日、神戸市で認知症に関する学会が開催された。専門医を対象としたものではなく、私のような一般開業医=かかりつけ医を対象としたものである。その中でトータライザーと呼ばれる機器を使って演者と視聴者とが対話形式で進める症例検討のセッションがあった。


   定年間近の男性が「ものが見づらい」という視覚異常で発症し、ついで抑うつ状態やパーキンソン徴候(筋肉剛直や手の震え、小刻み歩行など)が出現、やがて幻覚や認知機能障害などの症状を呈したものがあった。演者が患者さんの病歴を幾つかの時期に区切って提示し、視聴者に何という疾患が考えられるか?どのような対応が適切か?という質問を発して議事が進行する。


   レビー小体型認知症という病気がある。100年ほど前にドイツの医師レビーが脳細胞の中に後にレビー小体と呼ばれるようになった異常な物体を発見した。当時は運動機能障害に関係するものと考えられていたが、1976年に小阪憲司先生が一部の認知症患者にも見られることが報告されて注目されるようになり、1995年に国際的診断基準が整えられた。認知機能障害が出現する病気で高齢者に多く、変動する症状、幻視、パーキンソン症状、自律神経障害、睡眠障害など多彩な症状を呈するが、少量の薬剤によって大きく症状が変化する特徴がある。


   先に示した症例は、レビー小体型認知症との診断で落ち着いた。耳慣れない病名だが、アルツハイマー病や脳血管性認知症に次いで多い認知機能障害の原因疾患である。認知症の10%程がこの疾患。過去に経験した認知症患者さんのことを思い起こすと、アルツハイマー病らしくなく、かといって脳血管障害の既往もない認知症患者さんが確かにいたし、現在診療している50名ほどの認知症患者さんの中にも5名程度いる勘定になる。夜には美味しい神戸牛ステーキを楽しんだ大変有意義な学会だった!


東方神起 CD

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