2011年12月09日号

目は口ほどに…


「目は口ほどにものを言う」ということわざがありますが、眼科の世界でもこの諺が当てはまります。たとえば、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの病気は全身の血管を蝕むため、血液から栄養を受けている全ての臓器や器官に障害が現れます。眼も例外ではなく、本人は全く自覚してないにもかかわらず、これらの全身病による異常が顕れます。検診に眼科の項目が入っているのはそのためです。


   眼の周りの組織や隣接している鼻や脳などに病気が生じたときにも、眼に最初の症状が現われることがあります。そこで今回は、眼球周囲にどんな病気が起こるのか考えてみることにしましょう。


   眼球の周りを取り囲んでいる組織は構造的に大きな特徴があります。正面から観察するだけでは、顔の表面は皮膚に覆われているので、目と周囲組織との関係は分かりません。解剖学的に眼球は上下左右と後面を骨で囲まれた「眼窩」という凹みの中に埋没したような状態で存在します。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」、皆さんご覧になりましたか?この映画でしばしばお目に掛かる骸骨を思い出して下さい。鼻の骨を顔の中心とすると、やや上方で左右対象に大きく凹んだ部分が「眼窩」です。骸骨になる前は脂肪組織で満たされており、眼球はその脂肪組織をクッションとして浮遊したような状態で存在しています。まぶたを開くと、眼球正面にはレンズの働きをする角膜(黒目)があり、それ以外の眼球は堅い白目(強膜)で保護されています。強膜には眼球を動かす6つの筋肉(眼筋)が付着しており、脳神経の指令で眼筋が収縮すると、眼球は上下左右自在に動きます。そして後ろには網膜の映像を脳に送る視神経が付いています。このように眼と眼窩の関係は、水(脂肪組織)を満たしたガラスビン(眼窩)の中に人形(眼球)をいれ、その手足(眼筋)をビンの外から糸(神経)で操る、操り人形のような仕組みになっているのです。


   もしもこの眼窩内に異常が起こると目にどんな症状が現れるでしょうか、次回をお楽しみに。


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