2011年12月16日号

まどみちおさん


満91歳のボケじじいの私と/満84歳のボケばばあの女房とはこの頃/毎日競争でトンチンカンをやり合っている/私が片足に2枚かさねてはいたまま/もう片足の靴下が見つからないと騒ぐと/彼女は米も入れていない炊飯器に/スイッチ入れてごはんですようと私をよぶ/おかげでさくばくたる老夫婦の暮らしに/笑いはたえずこれぞ天の恵みと/図にのって二人ははしゃぎ(以下略)……まど・みちおさんという詩人がいて、誰かが「日だまりのような…」とその詩を評していたけれど、お爺さんお婆さんまでが、本当に日だまりでポカポカするような、そんなうれしい詩に出会った。「トンチンカン夫婦」という題の詩で、読んでいると、ニヤニヤ笑いがわいてきて元気になってくる。子供も大人もやさしい笑顔にしてくれる、まど・みちおという人は、やはりきっと魔法使いに違いないと思ってしまう…。


   ♪ぞうさんぞうさんおはながながいのね……の「ぞうさん」(團伊玖磨=だん・いくま=作曲)。♪1ねんせいになったら1ねんせいになったらともだちひゃくにんできるかな……の「一ねんせいになったら」(山本直純作曲)。♪しろやぎさんからおてがみついたくろやぎさんたらよまずにたべた……の「やぎさんゆうびん」(團伊玖磨作曲)。♪むかしなきむしかみさまが……の「ドロップスのうた」(大中恩作曲)。いつも口ずさんでいたこれらの童謡もみんなまどさんの作詞。


   「ぞうさん」の歌は、「動物が動物として生かされていることを喜んでいる歌なのです。『お鼻が長いのね』と悪口を言われた象の子が、『一番好きなお母さんも長いのよ』と誇りをもって答えたのは、象が象として生かされていることが、すばらしいと思っているからなのです」と、まどさん自身が語っていると、編集者で絵本作家でもある伊藤英治氏が紹介していた(季刊「銀花」第136号)。


   お母さんキリンと子供キリンの…お母さんウサギと子供ウサギの…「おはなしもにょもにょ」とか、「きゅうりさんはきゅうりさんなのがうれしいのね」と始まる「いっぱいやさいさん」など絵本もいっぱいあって、声に出して読んだら、本当にうれしく力強い気持ちになってしまう…。


   まど・みちお。独自の心象世界を描く画家としても著名。1909(明治42)年11月16日山口県生まれ。だから、まどさんは102歳を迎えたばかりということになる…。


HDDレコーダー

トラックバックURL:

« 目は口ほどに… | TOP | バレット食道と食道癌 »

[PR]SEO対策済みテンプレート