2012年01月01日号

新年によせて


星空の下の西洋のお城、妖精が魔法の杖を振ると光のシャワーがふりそそいで、おとぎの世界……小学生の頃、暗幕が張られた図書室で、心をときめかせながら見たディズニーの映画。最初に映し出されるこのシーンとテーマ音楽で、子供達は夢の世界に入って行く…。


   福島第1原発の事故の後、放射能汚染の広がりが明らかになるにつれて、映画のこのオープニングのイメージが、脳裏に焼き付いたようにいつも浮かぶようになった。放出された放射性物質によって、広大な地域が瞬時に汚染されてしまった。いつもと変わらないように見える町が村が野が山が…世の中のすべてが、まるで光のシャワーで魔法をかけられたように、一瞬のうちに、恐ろしい地獄の世界に変わった。魚もキノコもヤマブドウも…山の幸海の幸すべての恵みが…一夜の内に猛毒に変わってしまう恐ろしさを、その土地の川辺に佇(たたず)んだつもりになって、木の根元に腰をおろしたつもりになって、街の広場で遊ぶ子供らになったつもりで思いやってみる…。誰も責任を取れない、信じられないような現実が今、本当に起こっている。


   菅直人前首相が宣言した“脱原発依存”の社会。それを現実的にどう軟着陸させて実現するか、その道筋が今探られているともいう。その動きを横目に、利益優先の経済界と、原発利権を守りたい旧勢力の政治家と官僚と学者と、マスコミとそのほかの魑魅魍魎(ちみもうりょう)が、国民の側に立つふりをしながら、巧妙な世論操作で目をそらせ、ふたたび“安全な原発”を表舞台に戻そうと暗躍している。原発がなければ経済が発展しないと国民を欺き、この惨事を引き起こした人々だ。だまされてはいけないと、目を見開き、耳をすます年だと思う。


   新しい年新しい未来…。本年もまんまる新聞をよろしくお願い申し上げます。―スタッフ一同―


SMAP CD

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