2012年03月16日号

メタボとトマト


京都大大学院の研究グループが「トマトはメタボリック症候群(メタボ)の予防に効果ある」との研究成果を発表。このニュースが報道されるや直ちに「店頭からトマトが消え、品薄状態が続いている」という新聞記事も見られる。ワイドショーで「○○が健康に良い」と報道されると、スーパーの店頭からその商品が消えることは珍しくない。


   ネットで「メタボ」「トマト」で検索すると、約71万件のウェブサイトがヒットした。メタボとの関係は?だが、イタリアには「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があり、昔から赤い食品は健康に良いことが知られていたらしい。


   トマトの赤はリコピンという色素で、βカロチンの仲間。老化の原因=活性酸素を取り除くことで老化防止の効果があると言われている。人間は食物としてしか栄養素を体内に取り込むことができない。食物は胃腸で単糖類やアミノ酸、脂肪酸など低分子の成分にまで分解・吸収され、低分子成分は生体の需要に応じて体内で新たな成分に合成されて利用される。だが、必須アミノ酸とか必須脂肪酸という成分は、体内で合成することができず、食物から摂取する以外に体内で利用することができない。


   メタボの予防成分はトマトに含まれるリノール酸類似物質=リコピンで必須脂肪酸。マウスでメタボ防止効果とのことだが、マウスと人間では、体内の代謝経路が異なり、同じ効果が人間でも現れるのか疑問であるし、この成分の過剰摂取が起こす事態も明らかでない。テレビを見ていると、朝から晩までサプリメントの宣伝が流れ、医者の私でも「膝や腰が痛いので購入してみようか」という思いにかられる。国立健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性」というホームページがあり、中立的・客観的な情報が掲載されているので参考にして欲しい。私は患者さんに、バランスのとれた適量の食生活が最適だと話している。


SDHC 16GB

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