2012年03月23日号

眼科検査新時代③光干渉断層計(OCT)と黄斑部疾患


今回はOCTの3回目。網膜の中心に位置する黄斑部に病気が生じた場合、OCTで何が分かるでしょう。


   黄斑部は視力の源であり、ここの機能が正常か否かにより視力の善し悪しが決まります。仮に裸眼視力が0・03でも眼鏡視力が1・0以上なら何ら問題ありません。逆に矯正しても視力が1・0以下なら黄斑部の異常を疑います。


   黄斑部は他の網膜とは異なる組織学的特徴がいくつかあります。第1は硝子体との関係です。大部分の網膜は硝子体と接触しているだけですが、黄斑部の網膜は硝子体と癒着しています。第2は黄斑部のど真ん中に重要な機能を納めた中心窩と呼ばれる場所があります。中心窩は高い機能を発揮するため、特殊構造になっています。まず、中心窩網膜の厚さは他の網膜の半分しかないことです。しかもすり鉢状に凹んでいます。そして、中心窩には栄養を担う網膜血管はなく、代わりに脈絡膜血管が全てを賄っています。このような特殊構造により、中心窩は最高の視機能を発揮出来るのです。しかし、硝子体と黄斑部との癒着、中心窩が薄いこと、網膜血管からの栄養を受けないという構造は、生理的環境の変化に対して抵抗力が弱いことにもなります。このような理由から、黄斑部は網膜の病気の宝庫のような場所になっているのです。


   OCTで黄斑部網膜の断面を調べると、従来の眼底検査では発見困難な病気が一目瞭然に分かります。たとえば硝子体が黄斑部を牽引して起こす黄斑円孔や黄斑前膜は一見して診断できます。加齢黄斑変性では、脈絡膜新生血管が中心窩のどこに進入しているか、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などでは眼底出血や浮腫が網膜のどこにあるかなどを画面上で容易に目視できるのです。


   このようなことからOCTは、黄斑部に起こった病気の診断のみならず、治療法の選択や治療経過を見る上でも、眼科診療には無くてはならない検査法になっています。


穴あきレギンス

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