2012年04月13日号

眼科検査新時代④黄斑部病変は3つに分けて考えよう


黄斑部網膜の真ん中に位置する中心窩は、最良の視力を維持するために特殊な構造になっていますが、最も病気になりやすい部位でもあります。この黄斑部病変を理解しやすくするために、OCTで分類してみました。


   網膜は、解剖学的に内面を「硝子体というゼラチン様の透明な組織」、外面を「脈絡膜という網膜を栄養するための血管組織」に挟まれた状態で存在しています。このような構造を参考にすると黄斑部病変は、①硝子体が網膜を引っ張って中心窩を変形させる「引っ張り病変」と、②網膜自身が厚みを増す「膨らみ病変」、③脈絡膜側から網膜を押し上げる「押し上げ病変」の3つに分けられます。


   第1の引っ張り病変には、網膜上膜や黄斑円孔などが入ります。第2の膨らみ病変は、網膜自身が網膜血管からの出血、浮腫などにより膨らむ病気で、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などです。第3の押し上げ病変には加齢黄斑変性や特発性脈絡膜神経血管症など、脈絡膜からの新生血管病が関わります。


   これらは原因がそれぞれ異なるので自ずと治療方法も違います。第1の引っ張り病変は、硝子体膜の網膜への牽引を取り除かなければ治りません。解決策は外科的治療、すなわち硝子体手術により硝子体膜を切除する方法が第一選択になります。第2の出血や浮腫、滲出斑による網膜の膨らみを正常化するには病気に応じた治療、たとえば糖尿病網膜症なら糖尿病の内科的治療を前提とし、レーザー光凝固が原則的に行われます。第3の加齢黄斑変性などの脈絡膜からの新生血管が原因ならば、薬物の眼内注射が主体となりますが、時にレーザー治療も行われます。


   黄斑部病変にOCTを行えば、治療方針を大筋で決めることができます。OCTは、このような治療方針の決定だけには留まらず、従来の検査ではでは分からない極早期の段階(たとえば視力が全く良好な状態)から網膜に始まっている初期変化を捉えることが出来ます。


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