2012年04月27日号

春の音


4月に入っても吹雪や積雪があり、低温の日々が続いていた。今年の春はなかなかやって来ない。北国に住む私たちにとって何よりも待ち遠しい春。まだ先のことだが、若葉の新緑や花の香りなど視覚や嗅覚が待ち遠しい。3月中旬、出勤するためマンションを出ると、突然にカツッ、カツッ、カツッという木を叩くような連続音が耳に入った。音源を探ってみると知事公館北東にある茶道裏千家の施設の木立の中。


   歩きながら音源に近づいてみると、どうもキツツキの木を突付く音のようだ。この時期になると、キツツキが繁殖期に入り、伴侶を求めてのドラミングと呼ばれる求愛行動…木を突付いて大きな音を響かすデモンストレーション。キツツキが発するこの音も春の訪れを感じさせてくれる。


   私たちが春の訪れを感じるのは、視覚や嗅覚ばかりではなく、聴覚も大いに関係しているらしい。朝のウォーキングをしながら耳に入る音に注目してみた。最も気を引いたのは融雪水が排水口に滴るときのキーン、キーンという金属音。まるで水琴窟の音を聞いているようだ。水琴窟とは、茶室の手水鉢のそばに設置する仕掛け…瓶を逆さに地中に埋めて手水鉢から流れてくる水が落ちるときの音を反響させるもの、京都の円光寺や退蔵院のものが有名だ。本来は、日本庭園や茶室の静寂さ、ワビサビの境地を実感させる装置なのだが、私が今聞く音は、春の訪れを知らせる歓喜の音。


   冬の間は積雪が音を吸収するために些細な音は耳に入らないが、雪解けが進むにつれて耳に入ってくる情報量が急激に増えてくる。小鳥のさえずりや、冬期間は陰鬱な響きに聞こえるカラスの鳴き声さえも、今は心をウキウキさせてくれる。大通公園の風景を撮影すると、残雪があり、落ち葉が飛び交って、初冬のように見えるかも知れないが、花壇を耕したばかりの土の香りや耳に飛び込む音からは、確実に春の訪れを感じる。


木村カエラ CD

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