2012年09月21日号

日本人とブーム


20年ほど前、家人に頼まれて「ヨーグルトキノコ」というのの菌をいただきに、好意で分けてくれるというお宅に伺ったことがあった。ケフィアというそのヨーグルトのタネ菌は、西アジアのコーカサス地方から伝わり、健康雑誌が「ヨーグルトキノコ」の愛称で紹介してから口コミで全国的に広がった。お互いにタネ菌を分け合う庶民性もまた良くて、不思議なものが一過性のブームになる世相の中で、これだけは素直に家人の言うことを聞いた覚えがある…。が、数か月でそれは食卓から消え去り、今はもう話題にも出ない。


   昭和50年当時、紅茶の中で酢酸菌を培養するという「紅茶キノコ」というのがあった。今調べるとシベリアの発酵飲料なのだそうだが、若かったその当時は関心もなかった。……ポリフェノールの抗酸化作用が喧伝(けんでん)されたココア(1995年頃)、やはりポリフェノールの赤ワイン(1997年)、ダイエットと美肌に唐辛子(1998年)、セサミンの抗酸化作用でゴマ(同)、血圧やコレステロール、血糖値にもいいと黒酢などの酢(1999年)、ダイエットや便秘に効くと海水から採るニガリ(2001年)、京大教授がやはり西アジアのグルジアから持ち帰って人づてに広がって後製品化されたカスピ海ヨーグルト(2002年)、寒天(2005年)、納豆(2007年)…。そして今年の春先は脂肪燃焼効果の研究が発表された途端、トマトが品薄になったという。


   せっかく健康に良くても、しっかりした総合的な検証が行われないままに、わいては消えるブーム…。日本人の迎合しやすい習性…。これが政治や行政にも同じ調子で向き合っているように見えるから、ちょっと怖い。


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