2012年10月26日号

一年に一度だけの料理


そろそろ初雪の訪れを感じる時節。わが家の狭い自家菜園では、今年も豊かな収穫物を提供してくれた植物に感謝しながらの後片付けが始まった。トウモロコシを伐採し、トマトや唐辛子の苗を引き抜いて細断、あるものは堆肥の山に積み上げ、あるものは耕運機で畑に鋤き込む。この作業は毎年のように繰り返すが、この時期に心を踊らせる収穫物がある。


   トマトの幹に青いまま残された青トマトは、どうしても名残り惜しい。小さい頃、母は青トマトを漬物にしていた。唐辛子も捨て難い。母は、引き抜いた唐辛子の若葉の部分だけを摘んで醤油と味醂、砂糖を加えて佃煮にしていた。野良生えした赤紫蘇を集めて、種子だけを取り、辛くない青唐辛子を輪切りにして加え、醤油漬けにしたり、佃煮にしたりしていた。


   昨年、青トマトをピクルスに…と思い立った。青トマトを6ミリ程度に切り、薄く切った玉葱と軽めの重石で一晩塩漬けに。翌日、軽く水洗いをしてピクルス液に漬けた。ピクルス液は、砂糖とワインビネガー(米酢でも可)を同量にして鷹の爪の輪切り、クローブを適量加えたもの。バルサミコ酢を加えると一層風味が豊かになる。今年も同じ要領で作り、スタッフにも好評だ。


   土曜日に場外市場にある野菜館に行った。目についたのは紫蘇の種…1パックが300円…迷わず4パックを買った。紫蘇の実を採取するのは大変な労力だ。茎の下から上にしごいたのでは上手く取れない。上から下にしごくと途中で千切れてしまう。この苦労を考えると安いもの。自家菜園に野良生えした紫蘇は既に種を落としていた。購入した種を早速持ち帰って佃煮にした。畑で引き抜いた唐辛子から若葉だけを摘んで集めても、調理すると小さな容器に入ってしまう。「何と、労力に比して得るものの少ないことか!」と嘆いたら、「1年に1度だけ味わえることに感謝しなさい」との妻の一言に沈黙した!


カニ

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