2013年01月01日号

眼科医療のこれから


あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、今年も健康で幸多き年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。


   昨年は万能細胞(iPS細胞)を作成した京都大学山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞され、感動された方も多かったと思います。この研究は今まで治療困難な病気に新たな治療の道を開くものです。今回はiPS細胞が難治性の眼病にどのように応用されるのか、可能性を探ります。


   まず期待されるのは加齢黄斑変性(滲出型)の治療です。この病気は視界の中央にある黄斑部に新生血管が現れ、そこからの血液漏出により視細胞が障害され、視野の中心が見えなくなる病気です。この病気は、新生血管が出来る前段階ならサプリメントの服用である程度予防可能です。また発症早期なら薬物で新生血管を消退させられます。ところが、脈絡膜血管から網膜神経細胞へ栄養の橋渡し役をする網膜色素細胞が傷害されると、視細胞は正常な機能を発揮できなくなります。そこで、iPS細胞を使い細胞を再生し、網膜機能を回復させようというのです。


   iPS細胞は、角膜再生にも応用できます。角膜は硬く透明な膜でレンズの働きをしていますが、この表面には角膜上皮細胞という細胞が重なり合い堅い角膜実質に接着し、裏面は角膜内皮細胞という一層の細胞が角膜実質に張り付いています。角膜上皮細胞は、角膜表面を滑らかに保ちレンズとしての機能を維持していますが、代謝が盛んで細胞の再生が旺盛です。細胞の再生は角膜幹細胞で行われますが、この細胞がアルカリ洗剤や外傷などで傷害されると再生不良となり、角膜が混濁してしまいます。また、角膜内皮細胞は角膜を透明に保つ働きをしていますが、この細胞は再生しません。そのため怪我などで一度障害を受けると、角膜が水疱性角膜症というぶくぶくの状態になり失明します。これらの角膜症に対しても、iPS細胞により細胞を再生させる研究が進行中です。


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