2013年02月08日号

冬の遊び


東北の山間の部落。子供たちの冬の遊びは、雪合戦、雪だるま、かまくら、落とし穴、スキー、そり滑り…雪遊びには事欠かなかったが、野良仕事もそのまま遊びの場になった。


   旧正月を過ぎて始まるのが、田んぼに堆肥を運ぶ農作業だった。田んぼの雪野原に、かんじきで踏み固めて馬そりの道を縦横につけ、その雪道をたどって、馬屋(まや)の敷き藁(わら)堆肥を田起こしの前に撒(ま)けるように、要所要所に小分けに置いて行く。雪に埋まりにくく滑らないように藁ぐつをつけた栗毛の馬が、躍動して雪原を走って、堆肥の馬そりに乗せられた子供たちは、その速さに息を詰まらせ、痛快な歓声を上げた…。


   ウサギ捕りの罠を仕掛けに、かんじきをつけて山に入る楽しみもあった。ウサギの足跡を見つけると、針金を輪にして引っかかれば締まるように細工した罠(「フコゴシ」と呼んだ)を足跡の上に仕掛ける。ウサギの臆病な習性は本当に“正直者”で、行った道を寸分違わずたどって戻る。その習性に付け込んだ罠で、ひと昔前までは食を得る大切な手段だった。


   この散歩道を書くのに、田舎の兄に電話した。夏に捕まえて飼った野ウサギが、猫に食われた思い出を言ったら、「ああ、あれは婆さんつぶして食ったのさ。お前が可哀想だから、猫の仕業にしたのを覚えているぞ」と50年ぶりに暴露した。散歩人にはかわいいペットに見えたのが、祖母には“うまそうなウサギ”にしか見えなかったらしい…。


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