2013年03月01日号

上野幌内科ギャラリー物語


今年の2月2日は土曜日で休診だったが、開院から丸13年目の記念日だった。患者さんの数も増え、馴染みの患者さんが多くなると、診察の際の雑談時間も増えて診察時間が長くなり、他の患者さんの待ち時間を気遣うスタッフはハラハラ。だが、一見無駄と思われるこの時間が私にとっては重要…趣味について話したり、一日の過ごし方を聞いたり、奥様やご主人の日常、ご両親や子供さんの消息を…耳にしたことは「カルテの余白」に書き込んでおく。


   Oさんは70歳代後半の男性、趣味はデコイ制作とのこと。一昨年、定期受診の際に作品を持参してくれた。確かスズメだったと思う。同好の士の展示会の招待状を頂き、仕事を終えて会場へと向かったが時間切れで残念な思いをした。先日、Oさんがオシドリ夫婦のデコイを「飾って欲しい」と持参してくれた。素晴らしい出来栄え。


   デコイというのは狩猟に使う囮の鳥。オランダ語のDeKooiが語源で、群れる習性を持つ鴨に似せた木製の囮に集まる獲物を狙うのに元々使われていたが、現在では鳥島のアホウドリや天売島のオロロン鳥の繁殖や保護を目的としたアイテムとしても利用されている。インテリアとしても重宝されるようになり、バード・カービングといって木片からナイフを使って鳥を型取って彩色する趣味にまで発展した。野鳥の姿を3Dで再現し、アクリル絵具で実物に似せるのは至難の技である。


   Oさんのオシドリ夫婦はさっそく待合室に飾らせていただいた。隣には陶器作りを趣味とするKさんの備前風の壺が鎮座している。個人的に蒐集しているHさんのスケッチ画はクリニックの乾燥無味な壁にポイントを与えてくれる。棚に並べられているSさんの木工品は見事に自己主張している。たまに借りてくるK女史の絵画、素人画家のK女史は「シャガールの版画と並べられて展示されるのは…」と言いながら、満更でもない様子!


キッズ・ベビー・マタニティ

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