2013年03月22日号

春は名のみの…


♪春は名のみの風の寒さや…今日もきのうも雪の空…唱歌「早春賦」(そうしゅんふ)じゃないけれど、この冬の冬将軍はなかなかしぶとくて、ずいぶん乱暴だ。3月だというのに、台風並みの強風が吹き荒れ、地吹雪も重なって、一瞬にして辺り一面真っ白に視界が奪われてしまう「ホワイトアウト」などという自然現象も多発し…遭遇してみれば恐ろしさが身に沁みるのだが…あと少しでわが家に辿り着く所まで来ていながら力尽きた人を含めて、幾人かが犠牲になってしまった。


   3月16日現在の積雪は、札幌108cm(同日平年値51cm)、新篠津147cm(同69cm)、岩見沢120cm(同44cm)――どの地域も平年の2倍以上。除雪にも疲れ果て、「大変ですよね」と近所で掛け合う挨拶も心なしか力がない。頭の中では、早春賦と、昔流行った柏原芳恵の春なのに~涙がこぼれます…春なのに~ため息またひとつ…(作詞作曲・中島みゆき「春なのに」)が駆け巡る…


   ジリジリしながら春を待つ気持ちは、何だか今の社会に感じるじれったさにも似ている。一般庶民の景気は?恐ろしい実体が現実にさらされた原発は?さまざまなほころびが人々を苦しめた社会保障制度の再構築は?不安定な雇用は?いまだ五里霧中のTPPは?疲弊する一方の地域経済は?震災の復興は?――。新政権が打ち鳴らす太鼓は景気いい。ただ、円安になって株は上がったけれども、ガソリンや灯油も上がって苦しむ人たちがいるのもまた事実だ。株で儲かるのはいい暮らしをする人たちだが、燃料や原材料が上がって苦しむのは、主に中小の業者や圧倒的に庶民だという構図がある。“大企業”が政権が変わった途端に賃上げの音頭を取り始めて、それはそれでうれしいことだから…笑ってしまったが、基本給が上がる定期昇給じゃなくて、その場限りのボーナスだけ上げて取り繕(つくろ)う企業が多いのには呆れてしまった。


   今後の見通しが立たないと、街の古い寿司屋さんが、消費税が8%に上がる来年の4月を前に「店を閉める」と決心した。お年寄りからは「年金が下がる」不安の声を聞くことが増えた。新政権の太鼓は響きがいい。中ががらんどうだから…ではないと思いたい。何年か前に国を壊しかけた時のように、経済だ…効率だ…で人々を苦しみに追いやったことを忘れないで欲しい。「春は名のみの…」では困るのだ。


   日脚も伸びて、春のお彼岸…春分の日が過ぎて、暖かくなって、もう春…きっと春。


木村カエラ CD

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