2013年07月26日号

認知症治療、この14年


7月7日の七夕、東京でデメンシアコングレスという会議が開かれた。今年のテーマは「アリセプトが生まれてから14年の結論」、認知症治療に関するものだ。私が認知症と関ったのは、この薬剤が発売された年からなので、私と認知症との付き合いも14年になる。それ以前は、私たち内科医とは関係のない疾患と思っていた。


   最初の患者さんは、服飾関連会社の経営者=女性Aさん、「物忘れが酷くなって、取引先との交渉日時や注文を忘れ、指摘されても何のことか分からない」と。このAさんの場合、私が担当する医療の範疇に入らないと考え、某病院精神神経科を紹介した。次は、今も私が担当している女性Bさん、胃の不調を訴えて胃カメラを予定したが、看護師から「説明しても理解してくれない」と。同伴してきた夫に話を聞くと、買物のたびに冷蔵庫に残っている食品を購入してくる、洗濯や掃除、化粧や服装が乱雑になったとのこと。


   以前は「痴呆症」という治療法のない疾患…。治療法が開発されたために、医療側からのアプローチも進み、①後天的に出現②脳の器質的障害③記憶障害を主とする認知機能低下④それによる社会的生活の不都合という4つの条件が満たされるという定義とともに、名称も「認知症」と変わった。


   会議での発表で最も印象的だったのは、認知症に対する社会的理解が進み、「座敷牢に閉じ込める」式の対応から地域も含めた家族・介護・医療の連携システムが模索されてきていることだ。治療薬(いずれも進行を遅らせるだけ)も新たに数種類が加わり、その使い分けや他の薬剤との併用法も工夫されてきている。現在、私は50名ほどの患者さんを担当しているが、MCIと呼ばれる軽度認知機能低下の患者さんに薬剤を使うことで、進行を抑え10年近く家族と一緒の生活を過ごし、旅行にも出かけている患者さんもいる。早期からの対応が必須なのは、生活習慣病と同じ!


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