2013年08月02日号

人の業か、狂気か…


人は、つくづく恐ろしい生き物だと、山口県周南市金峰(みたけ)という山深い集落で起こった連続殺人放火事件の連日のニュースを聞いて、暗澹(あんたん)とした。


   7月21日夜から事件は起こった。21日夜、71歳と72歳の夫婦の家と、79歳になる女性1人住まいの民家2軒が全焼、3人の遺体が見つかった。翌7月22日には、別々の民家2軒から新たに73歳の女性と80歳の男性の2人の遺体が見つかった。いずれも頭部を鈍器で何回も殴られ、即死状態だったという。


   事件があったのは山あいに8世帯14人が暮らす集落で、10人が高齢者という“限界集落”。5日後の26日、同じ集落の男(63歳)が近くの山中で捕まり、容疑を認めた。男は村の出身で、川崎市で暮らしていたが、介護のために帰郷、数年前までに両親が他界し、以来1人暮らしだった。周囲とうまくいかず、孤立していたとされる。


   75年前、岡山県の山あいの集落で1人の男が村人30人を殺害した津山事件(昭和13年)…横溝正史の小説「八つ墓村」のモデルにもなった凄惨な出来事があったことを思い出した。身勝手な人の業の深さの一方で、社会と不本意な境遇に窒息しそうになって狂気に迷う、あがきにも似た悲しさも、どこかに思ってしまう…。


ランキング1位スイーツ

トラックバックURL:

« 認知症治療、この14年 | TOP | 失せ物、顛末記 »

[PR]SEO対策済みテンプレート