2013年08月09日号

視野(見える範囲)③目から脳への伝達路


今回は、「見える」という情報が目から脳へどのように伝わるのか、少しややこしい話ですがお付き合い下さい。


   ①「みえる」が目から脳へ行くまで 視路(光刺激の神経路)は左右の眼の網膜にあるおよそ100万個の網膜視細胞に始まります。網膜の情報を同数の網膜神経線維が受け取り、黄斑部(視線の中心)から少し鼻側にある視神経乳頭で集合し1本の太い視神経になります。左右の視神経は眼球から外に出て眼窩後方(眼球の周りが骨で囲まれた部分)へ延びていき、視神経管という骨のトンネルを抜け頭蓋内に入ります。頭蓋内に入った左右の視神経は、視神経交叉と呼ばれるところで一時的に合流し1本になります。ここでは単に合流するだけではなく、互いの鼻側にある神経線維(視神経全体のおよそ半分)を交叉させ、反対側にある耳側の半分と合体し、再び左右1本ずつの神経束、すなわち視索となり外側膝状体、視放線という神経路を経て終点の視中枢に至ります。繰り返しですが、右眼の場合、視神経交叉までは右眼の網膜のみの神経線維ですが、視交叉からは右眼耳側と左眼鼻側の神経線維で構成された1本の視索となり視中枢に至ります。



   ②両目の視野異常は脳内病変 視野障害を起こす病気の多くは眼球内で起こりますが、眼窩や頭蓋内の病気が視野異常を起こすこともあります。眼球内病変であれば、視野検査に加え他の眼科検査を行うと診断できます。一方、眼窩や頭蓋内となると、コンピュータ断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像診断(MRI)などが診断の主役になります。しかし、視野検査も優秀な働きをします。脳の動脈瘤、梗塞、出血、腫瘍などは、視野異常が最初に現れることがあり眼科で発見されることが少なくありません。この場合、視神経が脳内の視交叉で一部交錯するため、眼球内病変や眼窩内の視神経障害では片方の視野障害を、視交叉よりも中枢では両眼性となります。両目に視野異常を感じたら脳内病変をお忘れなく!


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