2013年10月11日号

尊い世界


 「助けなきゃ」。1日、横浜市緑区のJR横浜線で、男性を助けようと踏切に入り電車にはねられ死亡した会社員村田奈津恵さん(40)。父親の恵弘(しげひろ)さん(67)は1日夜、「止める間もなく、1人で(踏切に)行ってしまった」とぼうぜんとした様子で振り返った。(10月2日北海道新聞夕刊)――10月1日午前11時半頃に起きた踏切事故だった。その後の報道では、奈津恵さんが線路上に倒れていた男性(74歳)をレールの間に動かしたため、男性は鎖骨を折るなどしたものの命は助かったという。

 このニュースを聞いて、何とも胸が詰まる思いがした。おそらく根っからやさしくて自分のことよりも人のことが先に来て、身の危険を計算する前に、はじかれるように人助けに動いてしまった…そんな人だったのではないか。みずみずしくて気高いそんな人が助からなかったことがどうにも残念で、うまく言い表わせないけれども、本当にいたわしく、もったいないという思いが胸に迫ってきた感じだった。事故現場では花を手向け手を合わせる人が後を絶たないという。世の中の多くの人々が、心からその冥福を祈ったのではないか。

 濁流に飛び込んで子供を助けたり、ホームから転落した人を助けたり、自らの命を懸けても人を救おうとする、そういう人がいることに、ただただ頭が下がる。理屈や計算など持ち込めない尊い世界なのだと思う。


キッズ・ベビー・マタニティ

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