2013年11月01日号

川の町・江別


 江別は川の町でもある。市街地の北側を石狩川が流れ、そこに上流から順に夕張川、千歳川、豊平川が注ぎ込む。江別の街並みはその川と川の間にはさまれた丘陵の、石狩川と千歳川・夕張川との合流地点に発達してきた。さらに、厚別川、野津幌川など中小の河川も江別を経て豊平川に、そして石狩川に流れ込んでいて、時おり、町並みが沈むほどの深い霧が出るのは、この川の多さによるものではないかと思っているが、はっきりわからない。石狩川は大雪山系石狩岳の西斜面に源を発し、上川盆地、石狩平野を下って石狩湾へと注ぐ。流域面積は利根川に次いで全国2位、長さは信濃川、利根川に次いで3位。その広大な流れをはさんで農地が広がり、流れを望む丘に町ができたのだった。


 これらの川で獲れる珍味の一つ、川ガニが旬を迎えている。石狩川や千歳川、夕張川のモクズガニで、秋、十五夜を過ぎて1週間ほどたつとカニの身が入って食べ頃になるという。やがて霜が降り、カニの動きが鈍くなって冬にかけては獲れにくくなるから、ちょうど秋の漁の今ごろと、冬を越して身の詰まったカニが、水温が上がり動き出して漁獲が上がる春が時期。6月を過ぎると産卵期に入って、そして秋…身が入ってきた今がまた、おいしい旬を迎えるのである。茹(ゆ)でてしゃぶれば、味噌も身も何ともうまい。きめ細やかで濃密な味わいは、洋風の料理に仕上げてもおいしい。茹でたのは市内の鮨屋さんなどで出してくれる。


 「ひもで鶏肉を縛って、川岸からチャポンと投げ込んで20~30分もすれば、カニがしがみついてくる。子供でもいくらでも獲れたから楽しかった」…江別生まれの50代の知人はそう昔日を懐かしむ。知人のおばあちゃんは「鶏肉が一番いい」と教えてくれたそうだ。大人たちは自転車のタイヤの輪(リム)からスポークを外し、上下に2つそれを枠にして組み合わせ、金網などをかぶせた、そんな自家製のカニかごを作っていたという。カゴの中には鶏肉や魚の頭などを入れて漁をし、農家の人たちなども季節の川の恵みを満喫した。


 江別の特産にヤツメウナギもあるが、コイやフナ、春にはチカ、さらには3~4cmほどの川エビもよく獲れて、大人たちは漁師でなくとも、そういう川漁を楽しんだものだと、土地っ子はちょっと得意気に思い出を語る。


 そんな川遊びに思いをはせながら、何だか、いつの間にか川というものが縁遠くなっていたような気がしている。本当はもっと身近なものだったはずなのに…。せめて、川ガニを味わいに行ってみようか。


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