2013年11月01日号

冠攣縮性狭心症


 Mさんは49歳の男性、2年半前に定期健康診断で高血圧を指摘され、降圧剤の服用を開始している。2ヵ月前から早朝起床時に時々前胸部の圧迫感を覚えるようになっていたが、今朝は午前5時頃に同様の症状が出現、8時頃には強い前胸部絞扼感を覚え、3分間ほど続いたと訴えて受診した。


 症状から冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症が疑われたが、不安定型狭心症も否定できないため、新札幌循環器病院に診察を依頼した。数日後に入院して心臓カテーテル検査を実施、左冠状動脈の前下行枝に50%程度の狭窄が認められ、アセチルコリン負荷を行うと完全閉塞に至るとのことが判明し、冠攣縮性狭心症と診断された。


 狭心症とは、心筋に酸素を供給している冠状動脈が細くなって、十分な酸素が供給されなくなり、前胸部の疼痛・圧迫感・絞扼感が発作的に出現する病気である。通常、症状は数分間続いて消失する。冠状動脈が細くなる原因は2つあって、動脈硬化のために恒常的に内腔が狭くなっている場合と一時的に攣縮が起こって狭くなる場合とがある。前者は運動負荷によって誘発されることが多く、後者は副交感神経が優位になる早朝の午前4~6時に起こることが多い。診断は心臓カテーテルによる冠動脈造影が決め手、冠動脈の攣縮によるものはアセチルコリンという薬剤を負荷することによって攣縮を誘発することで確定診断する。


 Mさん、入院検査の数日後に新札幌循環器病院の情報提供書と検査記録が収録されたCR―ROMを持参して来院した。CD―ROMにはアセチルコリン負荷によって攣縮・完全閉塞した冠状動脈と亜硝酸薬によって再開通した状況が映し出されていた。治療はカルシウム拮抗薬と亜硝酸薬の服用である。降圧剤としてカルシウム拮抗剤をすでに服用中だったので、亜硝酸薬を追加処方されたが、薬剤の副作用として出現する顔面の火照り、頭痛が激しいとの訴えがあり、他の薬剤に切り替えて経過を見ることにした。


SMAP CD

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