2013年11月22日号

薬で治す黄斑部の病気②


 前回は新生血管を萎縮させるラニビズマブの薬物療法についてお話ししました。この薬はもともと癌の治療薬で、癌組織を栄養する新生血管の成長を抑えその発育を阻止する作用があり、加齢黄斑変性、特発性血管新生黄斑症、強度近視のフックス斑など黄斑部に新生血管が生ずる目の病気に使われています。


 血管からの水漏れを減少させる薬物作用 ラニビズマブの薬物作用として新生血管を阻止するのみではなく、痛んだ網膜血管から血液が網膜に漏れ出すのを抑える効果があることも分かり、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの治療にも使われるようになりました。


 網膜の視細胞(光を感ずる細胞)を水田に整然と植えられた稲、網膜を栄養する血管を水路と置き換えてみて下さい。稲は適度な水で満たされている水田ではすくすく成長しますが、水田が過剰な水で覆われると根が腐り育たなくなります。糖尿病網膜症は、水田に張り巡らされた水路が破綻し水浸しになっている状態と似ています。つまり、網膜を栄養するために張り巡らされた網膜血管から血液が漏れ出し網膜神経が血液浸しになった状態です。このため網膜の視細胞が痛んでしまいます。一方、網膜静脈閉塞症は、水田の排水路が枯葉や土砂などで堰き止められ、水が水田に逆流し水浸しになった状態と同じです。網膜静脈閉塞症は、硬化した動脈が静脈との交叉部で静脈を圧迫すると、静脈が閉塞することで発症します。結果、網膜静脈から血液が毛細血管へ逆流し、破れた血管から網膜へ血液があふれ出てしまいます。糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症の治療は、血液でじゃぶじゃぶになっている網膜から血液を退かせることが重要な目的の一つです。今までのレーザー治療は、網膜の病変部を斑点状に焼き固める治療で、水田に穴を開けて水はけを良くする療法です。このレーザー治療に水漏れを少なくするラニビズマブを用いた薬物療法を併用することにより効果的な治療が可能となりました。


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