2014年01月17日号

ステント治療


 Mさんは70歳代前半の男性、2年ほど前から高血圧症などで定期通院している。クリニックでは比較的新しい患者さんなのだが、その気取らない気さくな話しっぷりや紳士然とした佇まいからスタッフの間では「金ちゃん」との愛称で呼ばれる人気者。12月中旬の昼休み、そのMさんからの電話。「ちょっと妙な具合なので昼休みで申しわけないが、診察して欲しい」とのこと。


 娘さんに付き添われて来院したMさんの話では、歩いて30分ほどの距離にある娘さんの家に手伝いに出向いたが、その途中で「前胸部の何とも言えない不快、苦しい感じ」が出現したそうだ。「定期検査の際、レントゲンや心電図の説明のとき、先生が話していた狭心症に似ている」と娘さんに話したところ、「すぐに診てもらおう」となったとのこと。


 ステントとは血管のような管状の部分を管腔内部から押し拡げる器具のこと。名称の由来は1900年に歯科医のステント博士が歯に鉄鋼を被せたことにあるそうだ。現在、心筋梗塞や狭心症の治療に使うものは、金属の細いワイヤーをメッシュ状に編んで筒状にし、内部に風船を装着したカテーテルである。閉塞あるいは狭くなった冠状動脈の患部に到達して風船を膨らませるとメッシュ状の管が太くなり、風船を縮ませても管の内径が変化しないという構造。現在使われているものはステントに血栓が付着して再閉塞するのを防ぐ薬剤が塗布されている。


 Mさんの話を聞くと、どうも狭心症のようだ。心電図検査でも心臓の前面から左側面の領域に病変がある所見だ。さっそく新札幌循環器病院のK先生に連絡、受け入れ態勢を整えてもらった。案の定、左冠状動脈の前下行枝に閉塞直前の部分が見つかってステントを留置し、数日後、回旋枝にも留置したそうだ。一週間弱の入院後に退院したMさん、その足でクリニックを訪れ、「おかげ様で無事に正月を迎えれそう」と満面の笑み!


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