2014年01月24日号

遠吠え


数か月前から違和感があった左肩が、夕方から痛み出して、夜には腕が上がらないどころか耐え切れない痛みになった。…で、こんな時には、遠吠えをして苦しさを散らす。若いころからの散歩人の生きる知恵であって、苦しい時悲しい時には結構効き目がある。オオカミになった気分でワォーワォーと喉から声を絞り出すようにして吠えるのである。ただ、知らない人の前や隣近所に聞こえそうなところではあまりできない。家人の白い目を感じつつも、遠吠えのおかげで少しは楽になったが、それでも痛みは夜更けまで情け容赦なく続いた。


 「注射1本で楽になるらしいよ」。家人のひと言に望みを託して整形外科に行った。病名は「肩関節周囲炎」。老化によって、関節を構成する骨、軟骨、靱帯(じんたい)や腱(けん)など肩関節の周囲組織に炎症が起きることが主な原因なんだとか。若ければ四十肩、年取れば五十肩と俗にいわれる病気だ。先生に「四十肩ですか?」とちょっと見栄を張ったら、きっぱり「いえ、五十肩です」と返された。「雪投げでもしましたか?断裂もないし、大丈夫です。注射しておきますね、だいぶ楽になるはずです。坐薬の鎮痛剤を処方しておきます」。重症になっていないらしく、注射とその後の鎮痛剤で痛みはかなり治まった…。


 ところが、人のカラダというのは複雑なものらしい。五十肩で動きのバランスが崩れたのか、今度はギックリ腰なども併発して痛み出したのだ。これにはしょげてしまった。思うように動かせない体の欲求不満・ストレスは、精神構造もゆがめる。神経がささくれ立ってきて、心もそぞろになる。う~む、こんな時は余計な動きはしないことだ。大人しくして気持ちが落ち着くのを待つ。経験上、それがいい。巣穴にこもる野生動物の感覚だ。


 翌日、温泉銭湯に行った。ただゆっくり湯に浸かってみたかった…。帰りに空を見上げたら、満月が高く出ている。思わず喉をのばしかけたら、家人が「こんなところで遠吠えしないのよ!!」。何とか思いとどまった…。


エコポイント対象 冷蔵庫

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