2014年01月24日号

薬で治す黄斑部の病気 硝子体線維を溶かす薬(プラスミン)


 ①硝子体の生理 「硝子体」という名前を聞いたことはありませんか?眼球をボールに例えると中に入っている空気に相当する部分です。眼球のおよそ5分の4を占めており、前方は水晶体に接し、後方の大部分は、網膜および視神経と接触しています。硝子体の成分は単なる水ではなく、コラーゲン繊維が規則正しい構造を保ち、中に大量の水を含んだヒアルロン酸が入っています(コラーゲンやヒアルロン酸はテレビのコマーシャルで見かける美肌成分なのでご存じかと思います)。この構造はマンションに例えると、コラーゲンが鉄骨部分、ヒアルロン酸+水が各部屋に相当します。


 加齢に伴い硝子体も変化します。すなわち硝子体のコラーゲンは40~50歳代に入ると徐々に眼球の中心に向かって収縮していき、またヒアルロン酸も溶解して行きます。ちょうどマンションの鉄骨が中央に折れ曲がり各部屋の仕切りが取り払われたような状態になります。近視が強い場合には30歳でも起こります。ごま粒のような黒い点、線状の濁り、丸い影が見えるなど飛蚊症の原因は、コラーゲンやヒアルロン酸の濁りが網膜に影として投影されるためです。


 ②硝子体の病気 飛蚊症は多くは加齢性の生理的変化によるものですが、時には網膜剥離の前兆になっていることがあります。特に、光視症(暗いところで目を動かすと光が飛ぶ)があるときには要注意です。この網膜剥離は網膜の周辺部で癒着した硝子体が網膜を引っ張り網膜に穴が開く(網膜裂孔)と起こります。網膜の中心にある黄斑部でも穴(黄斑円孔)が開くことがあります。また、黄斑部の周りを引っ張り網膜に皺(網膜上膜)を作ることもあります。こうなると中心が見えなくなったり、歪みの原因となります。今までは黄斑円孔や網膜上膜の治療として硝子体手術を行いましたが、引っ張りの原因となっている硝子体を薬液(プラスミン)で溶かす治療が最近始まりました。


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