2014年05月02日号

糖尿病治療、発想の転換!


 最近、厚労省の発表した疫学的な調査によると、わが国の糖尿病患者と予備軍が2000万人を超え、成人の5人に1人がそれに該当するそうだ。歴史的に糖尿病の記述は古く、今から3500年ほど前のエジプトのパピルスに「多量の尿を出す病気」との記述があるそうだ。平安時代に書かれた藤原実資の『小右記』に「喉が乾いて、水を多量に飲む」、「痩せて、体力がなくなった」など藤原道長の病状を記載したものが残っている。


 糖尿病という病名は、Diabetes Mellitusというラテン語の日本語訳、Diabetesとは「多尿」、Mellitusは「蜜」を意味し、文字通りの「甘い尿を出す病気」である。1992年にカナダのバンティングとベストのインスリン発見を契機に研究が急激に進展し、インスリン作用の不足による病気であることが明らかになった。経口治療薬はインスリン分泌促進薬、ブドウ糖吸収阻害薬、インスリン抵抗性改善薬などが次々と開発され使用されてきた。しかし、これらの薬剤には一長一短があり、低血糖や体重増加など様々な副作用もある。


 最近になって、体内の糖代謝のメカニズム研究の進歩により、インスリン分泌を制御するインクレチンというホルモンの作用を増強する薬剤が使用されるようになり、従来からの糖尿病治療の戦略に大きな変化が出現した。更に、ごく最近、新しい発想の治療薬が市場に登場してきた。


 発想の転換とはこういうものなのだろうかと思ってしまう薬だ。「尿に糖が出るのが糖尿病、だったら、どんどん尿に糖を出せば血糖値が下がる」と。糖尿病状態では、腎臓で血液中の過剰な糖が尿中に排泄されるのだが、尿細管で再び吸収され、血液中に戻って高血糖状態に戻ってしまう。「この再吸収のルートを遮断すれば、高血糖状態を改善できる」と。この新しい薬はSGLT2阻害薬。まだまだ分からないところもあるが、期待できる薬剤である。


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