2014年05月30日号

視野の半分が見えなくなった


 前回網膜から脳の視中枢に至るまでの視路は、視交叉という部位で右左の鼻側神経線維を互いに交換し、その後視索になるという話をしました。この視交叉部が腫瘍や動脈瘤などで圧迫されると、典型的な視野異常として両目の耳側視野が欠損するという視野障害が現れます。では視索から視中枢までの視路障害ではどんな視野欠損が現れるでしょう。視索を過ぎると一対の視路は、それぞれ外側膝状体、視放線を経て最終的に左右の後頭葉視中枢に収まります。この視路のどの部位の障害でも片側なら同名半盲(どうめいはんもう)という視野異常になります。右側の視索障害の場合は左同名半盲(障害の起こった側とは反対側の視野障害)という異常が現れます。右後頭葉視中枢の障害でも視索障害と同様に左同名半盲になります。


 視野欠損を確認する方法として、両目で正面をジーと固視すると、右側の視路異常では左側視野半分が欠けていることが分かり、次に右目の片方だけで正面を見ると、黄斑部中央に引いた垂直線を境にして鼻側の視野が欠けているのに気付きます。今度は左目で見るとやはり中央の垂直線から耳側の視野が半分欠けているのに気付く筈です。自覚的には「部屋の左側にあるものにぶつかりやすい」、「道をまっすぐ歩けない」などを訴えます。このように正面を見たときに左右の目で同じ側が見えない症状が現れた場合には、視索から上位の脳内神経路に何らかの異常が現れたことを意味します。原因には脳内腫瘍、脳出血、脳梗塞など様々ですが、いずれも生命予後に深刻な影響を及ぼす病気が原因となることが多いため早急に検査治療が必要となります。


 視野異常をまとめると、片側性の視野異常は網膜または視神経の異常(網膜色素変性や緑内障などの例外もある)、両側性のものは脳内の視路の異常で、その中で両眼耳側視野欠損は視交叉部の病変、両眼の同じ側の視野欠損は視索より上位の病変ということです。


穴あきレギンス

トラックバックURL:

« 忘れな草 | TOP

[PR]SEO対策済みテンプレート